スギ花粉症の最近の話題
平成8年5月25日(土)
開催場所:仙台市福祉プラザ プラザホール
東北大学医学部耳鼻咽喉科
鈴木 直弘 先生
近年スギ花粉症は、全国民の10%以上の有病率を持つとされています。しかし幸いなことにスギは、毎年ほぼ同じ時期に飛散が始まります。そのため毎年、スギ花粉症の症状が出現する前から抗アレルギー剤を内服する、いわゆる初期治療を行うことにより、スギの季節中の症状をかなり抑えることが可能になってきました。しかしながら、スギ花粉症患者の中には、毎年春先に鼻や眼の症状が出現するために、正しい診断を受けずに自分だけで、スギ花粉症だと思い込んでいる方が大勢いるのではないかと思います。花粉症はスギにかぎらず、カモガヤ(5-7月)、ヒノキ(4-5月)、ブタクサ(8-10月)、ヨモギ(9-10月)など多数存在します。そこで自分でスギ花粉症ではないかと思いの方はまず、耳鼻咽喉科専門医を受診し、皮内テスト、採血等でアレルゲンの検索を行い、自分が何のアレルギーを持ち、どの季節に発症するかをきちんと把握しておくことが重要となります。